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ハワイの風景柄アロハでハワイに行った気になる! [ちりめんアロハ]

あ~、ハワイに行きたいっ!
(じめっとしてすっきりしない梅雨時には特にそう思います)
でも行けないっ!

そんな時にはこのアロハ。
このアロハを見て、ハワイに行った気になります。
私にとってこのアロハは、元気を与えてくれる
”癒し系アロハ”なんです。


★★今日のお気に入りアロハ★★
 ▲ブランド:イオラニ・スポーツウェア
 ▲柄:ダイアモンドヘッドとワイキキビーチ柄
 ▲年代:1950年代中頃~後半
 ▲素材:ちりめんレーヨン
 ▲ボタンの素材:竹

【ブランド解説】
イオラニ・スポーツウェアは、
1954年創業という、いわば後発ブランド。
(1940年代後半に創業したアロハシャツ・メーカーが多い中では、
後発と言えます)
社長は、ケイジ・カワカミという日系2世の人です。

このカワカミさん、ニューヨークの大学を出ているだけあって賢い。
商売がうまいのです。
まず、このブランド(名前と営業権)は、人から買ったもの。
おそらく安く買ったのでしょう。
安く買って利益を上げる。
今どきの投資ファンドみたいなものです。

そしてコンセプトがはっきりしています。
今で言う「選択と集中」というヤツです。
つまり、ハワイの風景(特に遠景)の柄に特化して、
そればかりを、これでもかと言うくらい作ったのです。

そもそも彼が始めた50年代中頃と言えば
アロハシャツの人気も峠を過ぎ、
売れなくなりつつあった時代。
だから、「どうすれば売れるか」をよく考えたのでしょう。
その結果が、「他人がやっていない柄をやって、アイデンティティを築く」
と言うことだったわけです。
ハワイの風景柄って、実はこの人が考案したと考えられているんです。
「アロハタワーの柄」みたいな、
ハワイの観光地を、いくつかコラージュしたような柄はありましたし、
「ダイアモンドヘッドとヤシの木」みたいな柄
(パネル柄と呼ばれます)もありましたが、
人が小さく入ったハワイの風景柄は、このブランドが最初です。

もう、なんか、今どきのビジネス論の先を行ってますよね。
雑誌「プレジデント」で取り上げられてもおかしくないくらいです。

さて、彼は、ハワイの風景柄をたくさん作った後は
潔く方針転換。
今度は綿のアロハばかり作るようになります。

リバース・プリントという、プリント生地の裏を表に使った
アロハシャツを最初に作ったのもこの人らしいです。
(リバース・プリントは、レインスプーナーが有名で、
レインスプーナーが最初と思っている人は多いけれど、
実は違ったんですね)
また、「ジャック・シャツ」という、丈が短い、ブルゾンのようなアロハシャツ
(以前に紹介したシャツを見てください。
こういうのが「ジャック・シャツ」です。
http://blog.so-net.ne.jp/aloha-shirt-mania/2005-05-23
を最初に作ったのもこの人です。
ともかくアイデアマン。
そんな風にして、後発なのに、60年代には、
このイオラニが、ハワイのトップブランドにのし上がっていくのです。

【柄解説】

このブランドの風景柄アロハでは、
地色が青系のものが、圧倒的に多いです。
水色を使って海を表現しているわけで、
当然と言えば当然なんですが。
でもだからこそ、とてもうつくしいわけです。
(ちなみに他のブランドには、海なのに、黄色とか茶色とか、あげくは赤とかを
使っているところもあります)


このシャツでは、水上スキーをしている人たちは
とても小さく描かれています。
イオラニ・スポーツウェアの風景柄の場合、
人物はとても小さく描かれるのが、大きな特徴です。
人物は、あくまでも風景の一部という扱いです。
ほかにも、
「出航する客船に手を振る人々」とか
「フラを踊るフラガールのグループ」とかの柄があります。
ここにも、ブランドのアイデンティティを貫こうとする意志が感じられます。

このブランドが開拓した「ハワイの風景柄アロハ」は
1950年代後半に盛り上がり、
そして60年前後を境に、作られなくなります。
飽きられたのでしょうか?
個人的にはとても残念です。
もっと多くの種類を作ってもらいたかった・・・・。
私はこの手の柄が好きなので、違う柄を見るとつい買ってしまいます。
(ヴィンテージ好きの大半は、
もっと柄が大きくて、色がヴィヴィッドなシャツを好むのですが)

この夏も、当分ハワイには行けそうもありません。
だから今日も、「ハワイの風景柄アロハ」をながめては
ハワイを訪れる日を夢見ているのです。


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holoholo

はじめまして、こんばんは。
いつも楽しく拝見させてもらっております!
素敵なアロハですねえ、この青、本当にキレイで惹かれます。
私もこうゆう素敵なヴィンテージアロハがほしいものです。
by holoholo (2005-06-22 22:50) 

アロハシャツ歴史研究家・角田潤

>holoholoさん、はじめまして。
いつも見てくださっているとのこと、ありがとうございます。

私はもっぱらヴィンテージ一筋です。
現行のレプリカものと、どこが違うかって、
やっぱり色なんですよね。
こういうきれいな青とか、レプリカではあまり見たことないですから
(食わず嫌いなだけかもしれませんが)。
古着屋さんに行けば、ただでヴィンテージを見られますから、
お近くにあれば、ぜひ見に行ってください。
楽しいですよ、見ているだけでも。
by アロハシャツ歴史研究家・角田潤 (2005-06-23 10:49) 

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